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第32回はり師きゅう師国家試験
総合問題(基礎) 解答&解説

問題 83

次の文で示す症例について、問題83、問題84の問いに答えよ。

「3歳の女児。滑り台から落ちて右手をつき、右肘過進展を強いられ受傷。近医を受診、

右肘部変形があり、肘部前面の皮下出血と示指・中指の痺れが認められられた。」

最も考えられる診断はどれか。
1. 上腕骨外科頚骨折
2. 上腕骨骨幹部骨折
3. 上腕骨顆上骨折
4. 上腕骨外顆骨折

解説
1.誤り

好発年齢:高齢者(特に女性)
受傷機転:転倒して肩部を打つ
症状部位肩関節部の疼痛と可動域制限
 本症例は「肘の変形・痺れ」なので該当しない

2.誤り
部位:上腕骨の中央付近(骨幹部)
合併しやすい神経橈骨神経(→下垂手)
症状:手首が下がる(伸展できない)
 本症例では「示指・中指のしびれ(正中神経)」であり一致しない

3.正解
好発年齢:小児(5歳前後)
受傷機転:手をついて肘が過伸展
症状:肘の変形、皮下出血、正中神経障害(示指・中指のしびれ)
 本症例と完全に一致

4.誤り
好発年齢:小児
受傷機転:肘外反ストレス(転倒など)
症状:肘外側の圧痛・腫脹、橈骨神経麻痺のことも
特徴:遅発性外反肘(変形治癒)に注意
 本症例は「過伸展外力+肘前面出血+正中神経障害」で異なる

解答:3

問題 84
最も考えられる神経障害はどれか。
1. 腋窩神経
2. 正中神経
3. 筋皮神経
4. 尺骨神経

解説
問題83の解説より2.正中神経

解答:2

問題 85

次の文で示す症例について、問題85、問題86の問いに答えよ。

「60歳の女性。数年前から左手の振戦を生じ、次第にすくみ足、寡動を認めるようになり、

近医に診断を受け、投薬が開始された。」

最もよくみられる症候はどれか。
1. 仮面様顔貌
2. 測定障害
3. 眼瞼下垂
4. 痙縮

振戦、寡動(動作が遅くなったり少なくなったりする)はパーキンソン病の4大症状に含まれる。筋のこわばりにより一歩目が出ない「すくみ足」もあることから、パーキンソン病を疑う症例。パーキンソン病では顔面の表情筋が動かしにくくなってあたかも仮面をつけているかのような「仮面様顔貌」がみられる。

2.測定障害―小脳障害・深部感覚障害

3.眼瞼下垂―上眼瞼挙筋を支配する動眼神経麻痺、重症筋無力症、ホルネル症候群など。

4.痙縮―錐体路(上位運動ニューロン)障害

パーキンソン病は錐体外路障害による「固縮」をきたす。

解答:1

問題 86
歩行障害に対するリハビリテーションとして最も適切なのはどれか。
1. 歩行速度を上げるように指示する。
2. メトロノームを用いた訓練を行う。
3. 継ぎ足歩行をさせる。
4. 坂道での訓練を行う。

パーキンソン病の歩行障害には、リズムをとる、線を跨がせるなどのリズム刺激訓練が有用である。

3.継ぎ足歩行は、片方のつま先ともう片方のかかとをつけて直線上を歩行するもの。

主に転倒予防を目的としたバランス訓練である。

解答:2

問題 87

次の文で示す症例について、問題87、問題88の問いに答えよ。

「45歳の男性。長時間の座位により右下肢痛が生じる様になったため整形外科を受診し、

腰椎椎間板ヘルニアと診断された。右の片脚立ちで踵の挙上ができなかった。」

感覚鈍麻が疑われる部位はどれか。
1. 足底
2. 足背中央
3. 下腿内側
4. 大腿前面

解説

症例のポイント
腰椎椎間板ヘルニア
右下肢痛
踵の挙上ができない → 腓腹筋・ヒラメ筋の筋力低下 → S1神経根障害
 (つま先立ち困難=S1、踵立ち困難=L5)

1.正解

S1神経領域の支配範囲。S1障害で感覚鈍麻が出やすい。

2.誤り

L5神経領域 踵立ちができない場合(L5障害)にみられる。

3.誤り

L4神経領域 膝蓋腱反射の低下などを伴う。

4.誤り

L3神経領域 本症例とは異なる高位。

解答:1

問題 88
早期に手術を要する病態はどれか。
1. 尿閉
2. 下腿後面の痺れ
3. 夜間のこむら返り
4. アキレス腱反射消失

解説

症例の背景
腰椎椎間板ヘルニア
神経根症状あり(右下肢痛・S1障害)
「早期に手術を要する」=馬尾神経症候群のサインを問う問題

1.正解

馬尾神経症候群の典型症状。 膀胱直腸障害(排尿・排便障害)は神経圧迫が重度で緊急手術の適応。
放置すると回復困難になるため早期手術が必要

2.誤り

S1神経根障害による感覚障害 多くは保存療法で経過観察可能。

3.誤り

末梢循環障害や筋疲労などで起こる。 手術適応ではない。
4.誤り

S1神経根障害の所見。 これのみでは手術適応ではない(保存療法で改善することが多い)。

解答:1

問題 89

次の文で示す症例について、問題89、問題90の問いに答えよ。

「18歳の男性。背が高く痩せている。突然、右胸の痛みと息切れを感じた。

最初に行う検査はどれか。
1. 血液性化学検査
2. 呼吸機能検査
3. 胸部単純エックス線検査
4. 腹部単純CT検査

解説

症例のポイント
18歳男性、背が高く痩せ型 → 自然気胸の典型的体型
突然の胸痛・息切れ
まず行う検査は迅速に診断できるもの

1.誤り

 白血球・炎症マーカーなどの情報は得られるが、気胸の診断には不適

2.誤り

肺活量や換気機能の評価には有用だが、急性気胸の診断には向かない

3.正解

最も迅速かつ簡便に気胸の有無を確認可能
 自然気胸の診断の第一選択。

4.誤り

胸部症状には無関係。 診断目的として不適。

解答:3

問題 90
血圧が下がり息切れが増した。最も適切な対応はどれか。
1. 経過観察
2. 鎮痛剤の投与
3. 生理食塩水点滴
4. 胸腔ドレナージ

解説

症例のポイント
18歳男性、自然気胸
血圧低下・息切れ増悪 → 緊張性気胸の疑い
緊急処置が必要な状態

1.誤り

 軽症気胸では可能だが、血圧低下・呼吸困難がある場合は放置できない

2.誤り

 痛みの緩和はできるが、呼吸循環障害の改善にはならない

3.誤り

血圧維持には一時的に有用だが、気胸の圧迫を取り除く治療にはならない

4.正解

緊張性気胸の第一選択治療。 胸腔内の空気を排出して肺再膨張・血圧回復・呼吸改善を行う。

解答:4

【監修者】 鍼灸学博士 納部瑠夏

鍼灸系の大学院を修了し、鍼灸治療の専門家の証である「鍼灸学博士」を保持。

reCare道玄坂鍼灸院の院長として臨床を行う傍ら、福岡リゾート&スポーツ専門学校で非常勤講師として教鞭を行っている。

一般社団法人日本体力医学会公益財団法人全日本鍼灸学会所属

保有資格

鍼灸学博士、はり師・きゅう師、日本スポーツ協会公認アスレティックトレーナー、健康運動実践指導者

主な研究業績

【共同執筆者】

今西 好海

  保有資格 鍼灸学修士、はり師・きゅう師、健康運動実践指導者

奈須 守洋

  保有資格 鍼灸学修士、はり師・きゅう師