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第33回はり師きゅう師国家試験
経絡経穴学 解答&解説

問題 107
足から腹部に至り任脈、胆経、肝経と交わり舌に至る経脈はどれか。
1.陰蹻脈
2.陰維脈
3.足太陰脾経
4.足少陰腎経

解説
⒈誤り

陰蹻脈は足内側から起こり目の内眥に至る奇経で、舌には行かない。

⒉誤り
陰維脈は内踝付近から起こり胸部へ向かう奇経で、舌には至らない。

⒊正解
舌と連絡する経脈であり、問題文の走行と一致する。

⒋誤り
足少陰腎経も舌根に連なるが、任脈・胆経と交会する特徴が問題文と一致しない。

足太陰脾経
足太陰脾経の流注は足の母趾→下肢内側→腹部→脾・胃→横隔膜→食道→舌
に連なる
という走行をする。さらに脾経は途中で任脈、足少陽胆経、足厥陰肝経などと交会する。

解答:3

問題 108
奇経八脈について最も適切なのはどれか。
1.循行には共通する規則性がある。
2.督脈と任脈は属絡関係である。
3.陽維脈と陰維脈は表裏関係にある。
4.正経十二経脈と交会している。

解説
⒈誤り
奇経八脈は十二経脈のような一定の循行規則がない
それぞれ独自の走行をしている。

⒉誤り
督脈任脈陰陽関係とされるが、属絡関係ではない

⒊誤り
陽維脈陰維脈表裏関係ではなく、陰陽の関係である。

⒋正解
奇経八脈は多くの場所で正経十二経脈と交会する

奇経八脈は

督脈、任脈、衝脈、帯脈、陰蹻脈、陽蹻脈、陰維脈、陽維脈の8つの経脈の総称である。
奇経八脈は十二正経を補助する経脈であり、多くの部位で正経十二経脈と交会する特徴がある。

解答:4

問題 109
募穴について最も適切なのはどれか。
1.背部兪穴と表裏関係にある。
2.臓腑の気が注ぐところである。
3.臓と腑では主に臓の治療に有効である。
4.臓腑と同名の経脈上にある。

解説
⒈正解
募穴と背部兪穴は対応関係(募兪配穴)にある。

⒉誤り
臓腑の気が注ぐのは背部兪穴。募穴は臓腑の気が集まる場所

⒊誤り
募穴は腑病に有効とされる。(対して背部兪穴は臓病)

⒋誤り
募穴は必ずしも同名経脈上にはない。例)胃の募穴:中脘 → 任脈上

募穴は、臓腑の気が集まる(集まる=募)部位で、主に胸腹部に存在する。
また募穴は背部兪穴と対になる関係(募兪配穴)を形成する。

例)肺→ 中府(募穴)+肺兪(背部兪穴)

胃→ 中脘(募穴)+胃兪(背部兪穴)

このように前(募穴)と後(背部兪穴)を組み合わせて治療する

解答:1

問題 110
天応穴の特徴はどれか。
1.十四経脈上にある。
2.主治が定まっている。
3.1901年以降に定められた。
4.病態と関連して出現する。

解説
天応穴とは、病変部位や圧痛・反応が現れる場所に応じて用いる穴のことで、固定された位置はない。
つまり痛み、圧痛、硬結、異常感覚など病態に伴って出現する反応点をそのまま治療点として使う
日本の鍼灸では阿是穴(あぜけつ)とも呼ばれる。

誤り
天応穴は十四経脈上に限定されない。経脈に関係なく現れる。

⒉誤り
固定された主治や位置は定まっていない

⒊誤り
1901年以降に定められたのは奇穴

⒋正解
病態に伴って現れる反応点を用いる。

穴の種類の違い

経穴(十四経穴):経脈上に固定

奇穴:経外奇穴、位置固定(近代整理)

天応穴(阿是穴):反応点・圧痛点

国試では「圧痛点」「反応点」「そこが痛いところ」と書かれていたら天応穴(阿是穴)と判断できます。

解答:4

問題 111
中指末節骨の指幅を1横指として取穴する経穴はどれか。
1.陽白
2.照海
3.水泉。
4.頬車

解説
⒈誤り
陽白:眉中央の上1寸

⒉誤り
照海:内果尖の下1寸

⒊誤り
水泉:太渓の下1寸、指幅ではなく骨度法で取穴

⒋正解
頬車は、咬筋部にある経穴で、取穴の際に中指末節骨の幅(1横指)を基準として位置を取る。
取穴方法
歯を強く噛みしめると咬筋が隆起するので、
その最も盛り上がる部位を中心に中指末節骨の幅(1横指)**を目安に取穴する。

所属経脈:足の陽明胃経
主治:歯痛、顎関節症、顔面神経麻痺、咬筋痛、頬部腫脹

解答:4

問題 112
陰経を総括する奇経の八脈交会穴はどれか。。
1.内関
2.公孫
3.列欠
4.照海

解説
⒈誤り

内関:陰維脈

⒉誤り
公孫:衝脈

⒊正解
列欠:任脈、陰経の総括

列欠手の太陰肺経の絡穴であり、奇経八脈では任脈の八脈交会穴
任脈は「陰経の海」と呼ばれ、全身の陰経を総括する奇経とされる。
つまり任脈 ↔ 陰経の総括。その交会穴である 列欠 が正解になる。

⒋誤り
照海:陰蹻脈

解答:3

問題 113
神庭穴と眉間の中点との長さはどれか。
1.5分
2.1寸5分
3.2寸5分
4.3寸5分

解説
正解は 4:3寸5分
神庭 は督脈 の経穴で、前髪際の正中にある。
顔面の骨度法では、眉間(印堂付近) → 前髪際の距離は3寸
そして前髪際 → 神庭0.5寸
したがって眉間の中点 → 神庭3寸 + 0.5寸 = 3寸5分となる。
 

顔面骨度法

区間 距離
眉間 → 前髪際 3寸
前髪際 → 神庭 0.5寸
眉間 → 神庭 3寸5分

解答:4

問題 114
経穴と体表指標の組合せで誤っているのはどれか。
1.身柱 ― 肩甲骨上角
2.至陽 ― 肩甲骨下角
3.命門 ― 第12肋骨先端
4.腰陽関 ― 腸骨稜最高点

解説
⒈正解

身柱 は第3胸椎棘突起下にある督脈の経穴。
一方、体表指標の肩甲骨上角第2胸椎レベルの目安になる。
つまり肩甲骨上角 → T2、身柱 → T3なので一致しない

⒉誤り
至陽:第7胸椎棘突起下
肩甲骨下角:T7と一致。
 

⒊誤り
命門:第2腰椎棘突起下
第12肋骨先端はL2付近の目安。一致。

⒋誤り
腰陽関:第4腰椎棘突起下
腸骨稜最高点(ヤコビー線):L4。一致
 

体表指標 椎体レベル
肩甲骨上角 T2
肩甲骨下角 T7
第12肋骨先端 L2
腸骨稜最高点 L4

解答:1

問題 115
鎖骨下縁と乳頭線との交点にあるのはどれか。
1.庫房
2.気戸
3.兪府
4.気舎

解説
正解は 2.気戸
気戸 は足陽明胃経 の経穴で、位置は鎖骨下縁 × 乳頭線(前正中線から4寸外方)の交点にある。
つまり鎖骨のすぐ下 + 乳頭の真上のラインにある経穴が 気戸

1.誤り
庫房→第1肋間 × 乳頭線
鎖骨下ではない。

⒊誤り
兪府→鎖骨下窩、前正中線から2寸
乳頭線ではない。

⒋誤り
気舎→鎖骨上窩
鎖骨の

国試でよく出る胸部ランドマーク

経穴 位置
気戸 鎖骨下縁 × 乳頭線
庫房 第1肋間 × 乳頭線
屋翳 第2肋間 × 乳頭線
膺窓 第3肋間 × 乳頭線

解答:2

問題 116
伏在神経の分布領域にあるのはどれか。
1.陽陵泉
2.陰陵泉
3.陰市
4.陰包

解説
正解2
陰陵泉 は足太陰脾経 の合穴で、脛骨内側顆の後下方に位置する。
この周囲には伏在神経(saphenous nerve) の皮枝が分布している。
伏在神経は大腿神経 の分枝、下腿内側~足内側の皮膚感覚を支配
そのため下腿内側にある陰陵泉が該当する。

1.誤り
陽陵泉→腓骨頭前下方
支配:総腓骨神経

3.誤り
陰市→大腿前面
主に大腿神経筋枝

⒋誤り
陰包→大腿内側
主に閉鎖神経
 

国試ポイント(かなり出る)
伏在神経=下腿内側
関連経穴:陰陵泉、三陰交、地機、漏谷
このあたりは伏在神経支配の定番エリアなので覚えておくと強いです。

解答:2

問題 117
少海穴について最も適切なのはどれか。
1.尺骨神経溝上にある。
2.同経の兪穴までは12寸である。
3.五行穴では金穴に属する。
4.直刺で尺側手根屈筋に刺激できる。

解説
正解は 2 同経の兪穴までは12寸である。
少海 は手少陰心経 の合穴(水穴)で、肘窩内側端(上腕骨内側上顆の前方)に位置する。
心経の骨度法では少海→神門までの距離は 12寸 とされている。

1.誤り
少海は尺骨神経溝ではない。尺骨神経溝は上腕骨内側上顆の後方にある。

3 誤り
少海は五行穴では水穴金穴ではない。

4 誤り
少海の深部は上腕筋、上腕動脈、正中神経などであり、尺側手根屈筋ではない

解答:2

問題 118
上腕二頭筋の長頭と短頭の間にあるのはどれか。
1.天泉
2.天府
3.青霊
4.肘髎

解説
正解
1 天泉
天泉 は手厥陰心包経 の経穴で、腋窩前紋頭から下2寸の位置にあり、
上腕二頭筋の長頭と短頭の間に取穴する。この2つの筋腹の間の溝(筋間溝)にあるのが特徴。

⒉誤り
天府(手太陰肺経):上腕二頭筋外側溝にある。

3.誤り
青霊(手少陰心経):上腕内側で筋間ではない。

⒋誤り
肘髎(手陽明大腸経)肘外側にある。

解答:1

問題 119
顔面部、耳珠中央の前縁と下顎骨関節突起の間の陥凹部にあるのはどれか。
1.耳門
2.和髎
3.聴会
4.聴宮

解説
正解
4 聴宮
聴宮 は手太陽小腸経 の経穴で、耳珠中央の前縁と下顎骨関節突起の間の陥凹部に位置する。
取穴方法:口を開けると陥凹がはっきりするため、開口時に取穴する
主治:耳鳴、難聴、顎関節症、耳痛

 1.誤り
耳門(手少陽三焦経)
位置:耳珠上切痕の前方

⒉誤り
和髎(手少陽三焦経)
位置:耳の前上方(側頭部)
 

3.誤り
聴会(足少陽胆経)
位置:耳珠前下方、下顎骨関節突起の後縁

解答:4

問題 120
五兪穴で、のぼせと失禁に用いる経穴の部位はどれか。
1.耳門
2.膝後内側、半腱様筋の外苑、膝窩横紋上
3.アキレス腱の前縁、内果尖の上方2寸
4.足内側、舟状骨粗面の下方、赤白肉際

解説
正解は
2
この部位は 陰谷。陰谷は足少陰腎経 の 合水穴で、五兪穴の一つ。
位置:膝後内側、半腱様筋腱の外側、膝窩横紋上

なぜ「のぼせ・失禁」に使うか?
腎経は水分代謝、排尿に関係する。
陰谷は腎経の合穴で排尿異常(失禁)、虚熱によるのぼせなどに用いられる。

1.誤り
耳門:耳疾患に使う穴で、五兪穴ではない。

⒊誤り
この部位は復溜(腎経)。五兪穴ではなく経穴(経金穴)

⒋誤り
この部位は太白(脾経)。五兪穴の兪穴(土)だが、のぼせ・失禁の主治ではない。

解答:2

問題 121
原気が集まるとされ、体が重だるく関節が痛むときに用いる経穴の部位はどれか。
1.手背、第2中手指節関節撓側の近位陥凹部
2.足背、第2中足骨底部と中間楔状骨の間、足背動脈拍動部
3.手関節前内側、尺側手根屈筋腱の撓側縁、手関節掌側横紋上
4.足背、第4、第5中足骨底部の遠位、第5指の長趾伸筋腱外側の陥凹部

解説
正解は3

正解の部位は 神門
神門は手少陰心経 の 兪穴・原穴で、手関節掌側横紋上、尺側手根屈筋腱の橈側縁に位置する。
原穴は「原気が集まる場所」とされ、臓腑の機能調整や全身の不調に用いられる。
神門は特に心神安定、倦怠感、関節の重だるさ、不眠などに用いられる。

⒈誤り
合谷(手陽明大腸経の原穴):原穴ではあるが、位置が違う。

2.誤り
衝陽(足陽明胃経の原穴):原穴ではあるが、位置が違う。

⒋誤り
束骨(足太陽膀胱経):原穴ではない。

解答:3

問題 122
郄穴の部位はどれか
1.前腕後面、尺骨の橈側縁、手関節背側横紋の上方3寸
2.肘後内側、尺側手根屈筋腱の橈側縁、手関節掌側横紋上
3.手関節前内側、尺側手根屈筋腱の橈側縁、手関節掌側横紋上
4.足背、第4・第5中足骨底接合部の遠位、第5指の長指伸筋腱外側の陥凹部

解説
正解は 1
この部位は 会宗。手少陽三焦経 の郄穴である。
位置:前腕後面、尺骨の橈側縁、手関節背側横紋の上方3寸
郄穴は気血が深く集まる部位で、急性の痛み・急性症状に使う重要穴

⒉誤り
この記載は位置として不正確(肘と手関節が混在)で該当穴なし

⒊誤り

神門:心経の原穴・兪穴(郄穴ではない)

⒋誤り
束骨:膀胱経の兪穴(郄穴ではない)

解答:1

問題 123
絡穴の部位はどれか。
1.下腿外側、腓骨の前方、外果尖の上方4寸
2.下腿前面、犢鼻と解渓を結ぶ線上、犢鼻の下方8寸
3.下腿内側、脛骨内縁の後際、陰陵泉の下方3寸
4.下腿後外側、腓腹筋外側頭下縁とアキレス腱の間、崑崙の上方7寸

解説
正解は 4

この部位は 飛陽。足太陽膀胱経 の絡穴である。

1 誤り
光明:胆経の絡穴。

⒉誤り
豊隆:胃経の絡穴(犢鼻下8寸)

⒊誤り
地機:脾経の郄穴(絡穴ではない)

解答:4

問題 124
八会穴で募穴でもあるのはどれか。
1. 気会
2.血会
3.骨会
4.脈会

解答:1

問題 125
八総穴に属する経穴の部位はどれか。
1.下腿前面、犢鼻と解渓を結ぶ線上、犢鼻の下方9寸
2.下腿外側、腓骨の前方、外果尖の上方3寸
3.足外側、外果尖の直下、外果下縁と踵骨の間の陥凹部
4.膝後面、膝窩横紋の中点

解答:3

問題 126
腧穴で鍼の深刺により脊髄損傷の危険性が最も高いのはどれか
1.脳戸
2.翳風
3.瘂門
4.夾脊

解答:3

【監修者】 鍼灸学博士 納部瑠夏

鍼灸系の大学院を修了し、鍼灸治療の専門家の証である「鍼灸学博士」を保持。

reCare道玄坂鍼灸院の院長として臨床を行う傍ら、福岡リゾート&スポーツ専門学校で非常勤講師として教鞭を行っている。

一般社団法人日本体力医学会公益財団法人全日本鍼灸学会所属

保有資格

鍼灸学博士、はり師・きゅう師、日本スポーツ協会公認アスレティックトレーナー、健康運動実践指導者

主な研究業績

【共同執筆者】

今西 好海

  保有資格 鍼灸学修士、はり師・きゅう師、健康運動実践指導者

奈須 守洋

  保有資格 鍼灸学修士、はり師・きゅう師