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第34回はり師きゅう師国家試験
生理学 解答&解説

問題 23

 

細胞間接着装置で、細胞間隙を塞いで水や分子の通過のバリアとなるのはどれか。

1. 接着帯
2. タイト結合
3.ギャップ結合
4. デスモソーム

解説
1.誤り
接着帯は細胞同士を帯状に接着させる構造
アクチンフィラメントと連結
上皮細胞の機械的な結合を強める。
ただし、物質の通過を防ぐバリア機能はない。


2.正解
タイト結合は細胞間隙を密閉する結合
特徴
水やイオンの通過を防ぐ
上皮のバリア機能を作る

例)腸上皮、血液脳関門


3.誤り
ギャップ結合は細胞同士をつなぐ小さな通路
特徴
イオン、小分子が細胞間で移動できる。

例)心筋、平滑

4.誤り
デスモソームは細胞同士を強固に接着させる構造

特徴
中間径フィラメントと連結
強い機械的ストレスに耐える

例)表皮、心筋

解答:2

問題 24
肝臓について正しいのはどれか。
1. クッパー細胞はビタミンAを貯蔵する。
2. 肝細胞はアルブミンを生成する。
3. 肝臓の熱産生は腎臓より少ない。
4. 肝臓の血液は門脈から流出する。

解説
1.誤り
クッパー細胞は肝臓のマクロファージであり、異物や老化赤血球を貪食する。
ビタミンAを貯蔵するのは伊東細胞(星細胞)。

2.正解
肝細胞は多くの血漿タンパクを合成する。
代表例
アルブミン、フィブリノーゲン、プロトロンビン

アルブミンは血漿膠質浸透圧の維持に重要。

3.誤り
肝臓は
代謝活動が非常に活発な臓器であり、
熱産生が多い臓器の代表

4.誤り
血液の流れ
門脈 → 流入
肝動脈 → 流入
肝静脈 → 流出

つまり門脈は流入血管

 

解答:2

問題 25
心臓の収縮期における内圧が最も低いのはどれか。
1. 上大静脈
2. 上行大動脈
3. 顔面動脈
4. 左心室

解説
1.正解
上大静脈は全身から心臓へ血液を戻す静脈であり、血圧は非常に低い。
中心静脈圧約 0〜5 mmHg
そのため、この中では最も内圧が低い。

2.誤り
左心室から血液が送り出される動脈であり、
収縮期血圧は約 120 mmHgと高い。

3.誤り
顔面動脈は外頸動脈の枝で、末梢動脈
動脈なので圧は高く、静脈より低くなることはない。

4.誤り
収縮期には最も強く収縮する心腔であり、
圧は約120 mmHgとなる。

解答:1

問題 26
肺活量を表す計算式はどれか。
1. 1回換気量 + 予備吸気量 + 予備呼気量
2. 1回換気量 + 予備呼気量 + 残気量
3. 1回換気量 + 予備吸気量
4. 1回換気量 + 残気量

解説
1.正解
肺活量(Vital Capacity:VC)は1回換気量+予備吸気量+予備呼気量の合計。
最大吸気後に最大呼気できる空気量を表す。

2.誤り
残気量はどんなに呼気しても肺に残る空気。肺活量には含まれない

3.誤り
これは吸気容量(IC)を表す。
式:IC = 1回換気量 + 予備吸気量

4.誤り
肺活量とは関係しない組み合わせ。

解答:1

問題 27

糖質について正しいのはどれか。

1. セルロースは単糖類である。
2. 血液中のガラクトースの濃度を血糖値という。
3. ショ糖は炭素と窒素から構成される。
4. グリコーゲンは肝臓で貯蔵される。

解説
1.誤り
セルロースは多数のグルコースが結合した多糖類
植物の細胞壁を構成する。

2.誤り
血糖値とは血液中のグルコース濃度を指す。
ガラクトースではない。

3.誤り
糖質は基本的に炭素(C)・水素(H)・酸素(O)で構成される。
窒素は含まれない。


4.正解
グリコーゲンは動物の貯蔵糖
主に肝臓、骨格筋に蓄えられる。
肝臓のグリコーゲンは血糖維持に利用される。

 

解答:4

問題 28

健康成人の尿について正しいのはどれか。

1. 1日の尿量は約300mlである
2.㏗は7.4±0.05の範囲に保たれる。
3. 血漿と同濃度のグルコースを含む
4. 血漿より高濃度の尿素を含む

解説
1.誤り
健康成人の1日尿量は約 1000〜1500ml
300mlは乏尿レベルに近い。

2.誤り
この値は血液pHの正常値。
尿のpHは約4.5〜8.0と幅がある。

3.誤り
健康な人ではグルコースは近位尿細管でほぼ完全に再吸収される。
そのため通常尿糖は出ない

4.正解
尿素はタンパク質代謝の最終産物であり、腎臓で濃縮されて
血漿より高濃度で尿に排泄される

解答:4

問題 29

バゾプレシンについて正しいのはどれか。

1. ステロイドホルモンである。
2. 下垂体前葉から分泌される。
3. 腎臓の集合管における水の再吸収を促す。
4. 血漿浸透圧が低下すると分泌が増加する。

解説
1.誤り
バゾプレシン(抗利尿ホルモン)はペプチドホルモンである。
ステロイドホルモンは副腎皮質などから分泌される。

2.誤り
バゾプレシンは視床下部で合成、下垂体後葉から分泌される。

3.正解
バゾプレシンは集合管に作用し水チャネル(アクアポリン)を増やすことで水の再吸収を促進する。

結果:尿量が減る(抗利尿作用)

4.誤り
バゾプレシンは血漿浸透圧が上昇したときに分泌が増加する。

理由:水を再吸収して浸透圧を下げるため。

解答:3

問題 30

性周期において卵胞期に起こるのはどれか。

1. 受精卵の着床
2. 子宮内膜の肥厚
3. 基礎体温の上昇
4. プロゲステロン分泌の増加

解説
1.誤り
着床は排卵後の黄体期に起こる。
受精卵は子宮内膜に着床する。

2.正解
卵胞期はエストロゲンの作用により子宮内膜が増殖(肥厚)する時期
これを増殖期ともいう。

3.誤り
基礎体温が上昇するのは排卵後の黄体期
これはプロゲステロンの作用による。

4.誤り
プロゲステロンは排卵後に形成される黄体から分泌される。
したがって黄体期に増加する。

解答:2

問題 31

成人のレム睡眠について正しいのはどれか。

1. 眼球が急速に動く。
2. 脳波に棘波が出現する。
3. 睡眠全体の約 60 % を占める。
4. 全身の骨格筋の緊張が亢進する。

解説
1.誤り
レム睡眠はレム睡眠(REM sleep:Rapid Eye Movement)の名前の通り、
急速眼球運動(REM)が起こる睡眠。
この時夢を見やすい、脳活動は比較的活発という特徴がある。

2.正解
棘波はてんかんなどでみられる異常脳波
レム睡眠の特徴ではない。

3.誤り
成人ではレム睡眠:約 20〜25%、ノンレム睡眠:約 75〜80%
60%ではない。

4.誤り
レム睡眠では骨格筋の緊張は低下(弛緩)する。
これは夢の動きを実際に体で行わないようにするため。

解答:4

問題 32

a運動ニューロンについて正しいのはどれか。

1. 細胞体は大脳皮質運動野に位置する。
2. 錘内筋線維を支配する。
3. 運動単位を構成する。
4. 筋紡錘の感度を調節する。

解説
1.誤り
α運動ニューロンの細胞体は脊髄前角または脳幹の運動神経核にある。
大脳皮質運動野にあるのは上位運動ニューロン

2.誤り
錘内筋線維を支配するのはγ運動ニューロン。
α運動ニューロンは錘外筋線維(通常の筋線維)を支配する。

3.正解

運動単位(motor unit)とは1つのα運動ニューロン。
それが支配する複数の骨格筋線維からなる。
筋収縮の基本単位。

4.誤り
筋紡錘の感度調節はγ運動ニューロンの役割。

解答:3

【監修者】 鍼灸学博士 納部瑠夏

鍼灸系の大学院を修了し、鍼灸治療の専門家の証である「鍼灸学博士」を保持。

reCare道玄坂鍼灸院の院長として臨床を行う傍ら、福岡リゾート&スポーツ専門学校で非常勤講師として教鞭を行っている。

一般社団法人日本体力医学会公益財団法人全日本鍼灸学会所属

保有資格

鍼灸学博士、はり師・きゅう師、日本スポーツ協会公認アスレティックトレーナー、健康運動実践指導者

主な研究業績

【共同執筆者】

今西 好海

  保有資格 鍼灸学修士、はり師・きゅう師、健康運動実践指導者

奈須 守洋

  保有資格 鍼灸学修士、はり師・きゅう師