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第34回はり師きゅう師国家試験
臨床医学総論 解答&解説

問題 39
月経異常について正しいのはどれか。
1. 授乳は原発性無月経の原因となる。
2. 運動過多は過多月経の原因となる。
3. 続発性無月経では鉄欠乏性貧血が起こる。
4. 月経前症候群(PMS)の症状は月経が始まると消失する。

解説
1.誤り
原発性無月経とは18歳頃までに初経がない状態
原因:性腺形成異常、染色体異常、先天的異常
授乳は出産後に起こるため続発性無月経の原因になる。

2.誤り
激しい運動や体重減少は続発性無月経の原因になる。
視床下部機能が抑制されるため。

3.誤り
鉄欠乏性貧血は過多月経で起こりやすい。
無月経では月経出血がないため貧血は通常起こらない。

4.正解
PMSは月経前の黄体期に情緒不安定、頭痛、腹部膨満などの症状が出る。
特徴:月経開始とともに軽快または消失する。

解答:4

問題 40
規則的な不随意運動はどれか。
1. 振戦
2. ジストニア
3. アテトーゼ
4. 入院時室料差額の費用

解説
1.正解
振戦とは一定のリズムで繰り返される規則的な不随意運動
特徴:規則的、リズミカル、往復運動
例:パーキンソン病の安静時振戦

2.誤り
ジストニアは筋緊張の異常による持続的な筋収縮
特徴:不規則、姿勢異常、ねじれるような運動

3.誤り
アテトーゼはゆっくりとした不規則な不随意運動
特徴:蛇のような動き、手指に多い

4.誤り
医療費に関する項目であり不随意運動とは無関係

解答:1

問題 41
呼吸器疾患と症状の組み合わせで最も適切なのはどれか。
1. 間質性肺炎 ─── 乾性咳嗽
2. 細菌性肺炎 ─── 白色痰
3. 気管支喘息 ─── 昼間の咳
4. COPD ───── 発作性呼吸困難

解説
1.正解
間質性肺炎の代表症状​:乾性咳嗽(痰の少ない咳)、労作時呼吸困難
肺の間質が炎症・線維化するため痰はあまり出ない

2.誤り
細菌性肺炎では黄色痰、膿性痰などが出ることが多い。
白色痰は気管支炎などでみられる。

3.誤り
喘息の特徴:夜間〜早朝に悪化、発作性の呼吸困難、喘鳴
昼間の咳は特徴的ではない。

4.誤り
COPDの特徴:慢性的な呼吸困難、労作時呼吸困難、慢性咳嗽・喀痰
発作性呼吸困難は喘息に多い。

解答:1

問題 42
消化管出血について正しいのはどれか。
1. 上部消化管出血では下血を認めない。
2. 胃からの出血ではコーヒー残渣様吐血をみる。
3. 吐血を伴う腹痛には非ステロイド性消炎鎮痛薬を投与する。
4. 免疫学的便潜血検査は獣肉の生食で陽性となる。

解説
1.誤り
上部消化管(食道・胃・十二指腸)からの出血でも、
消化管を通過すると 黒色便(タール便)=下血 として排出されることがある。

2.正解
胃出血では、血液が胃酸に触れることで黒褐色で粒状の吐物になる。
これを コーヒー残渣様吐血という。
よくみられる原因疾患:胃潰瘍、十二指腸潰瘍

3.誤り
非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)は胃粘膜障害、潰瘍、消化管出血を悪化させるため 禁忌または慎重投与

4.誤り
免疫学的便潜血検査はヒトヘモグロビンに特異的に反応する検査
そのため、肉類、魚、野菜などの影響を 受けない

※影響を受けるのは
化学法(グアヤック法)

 

解答:2

問題 43
尿所見と病態の組合せで正しいのはどれか。
1. 多尿 ───── 前立腺肥大
2. 低比重 ──── 脱水
3. 糖陽性 ──── 甲状腺機能低下
4. ケトン体陽性 ─ 飢餓

解説
1.誤り
前立腺肥大症では排尿困難、残尿感、頻尿などが起こるが、多尿(尿量増加)ではない
むしろ 尿閉や排尿障害が特徴。

2.誤り
脱水では尿量が減り尿は濃縮されるため比重は上昇する。
つまり脱水 → 高比重尿

3.誤り
尿糖陽性は主に糖尿病でみられる。
甲状腺機能低下では通常みられない。

4.正解
ケトン体は脂肪がエネルギーとして分解されたときに生じる。
出現する状況:飢餓、糖質不足、糖尿病(特にケトアシドーシス)

 

解答:4

問題 44
血小板が増加するのはどれか。
1. 出血
2. 紫斑病
3. 急性白血病
4. 再生不良性貧血

解説
1.正解
出血が起こると、止血のために骨髄で血小板産生が促進され、反応性に血小板が増加することがある
このような増加を反応性血小板増多という。

2.誤り
紫斑病は血小板減少によって出血しやすくなる疾患
代表例:特発性血小板減少性紫斑病

3.誤り
急性白血病では、骨髄で白血病細胞が増殖することで
正常な血球(赤血球・白血球・血小板)の産生が抑制される
そのため血小板は減少する

4.誤り
再生不良性貧血は骨髄の造血機能が低下する疾患で赤血球減少、白血球減少、血小板減少の汎血球減少が起こる。

 

解答:1

問題 45
登はん性起立がみられるのはどれか。
1. デュシェンヌ型筋ジストロフィー
2. 重症筋無力症
3. 中心性脊髄損傷
4. 脳性麻痺

解説
1.正解
デュシェンヌ型筋ジストロフィーでは近位筋(特に大腿・骨盤帯筋)の筋力低下が起こる。
そのため立ち上がるときに手を膝につく、太ももをつかむ、手で体をよじ登るようにして立つ。
これを登はん性起立(ガワーズ徴候)という。

2.誤り
重症筋無力症は易疲労性、眼瞼下垂、複視などが特徴。
登はん性起立はみられない。

3.誤り
中心性脊髄損傷では上肢麻痺が強い、下肢麻痺は比較的軽いといった特徴がある。
登はん性起立は特徴ではない。

4.誤り
脳性麻痺では痙性麻痺、姿勢異常、運動発達遅延などがみられる。
登はん性起立は特徴的ではない。

解答:1

問題 46
原因療法として正しいのはどれか。
1. 脚気に対するビタミン B1 投与
2. 百日咳に対する鎮咳薬投与
3. 市中肺炎に対する解熱薬投与
4. 橈骨遠位端骨折に対する鎮痛薬投与

解説
1.正解
脚気はビタミンB1欠乏が原因の疾患
そのため不足しているビタミンB1を補充することが原因療法になる。

2.誤り
鎮咳薬は咳を抑える対症療法
百日咳の原因は百日咳菌なので原因療法は抗菌薬投与

3.誤り
解熱薬は発熱を抑える対症療法。肺炎の原因に対する治療は抗菌薬

4.誤り
鎮痛薬は痛みを抑える対症療法
骨折の原因に対する治療は整復、固定など。

 

解答:1

問題 47
疾患と粘膜皮膚病変の組合せで正しいのはどれか。
1. 全身性エリテマトーデス ─── ヘリオトロープ疹
2. 肝硬変 ─────────── 蝶形紅斑
3. 麻疹 ───────────── コプリック斑
4. 皮膚筋炎 ─────────── バラ疹

解説
1.誤り
全身性エリテマトーデスで有名なのは蝶形紅斑(バタフライラッシュ)
ヘリオトロープ疹は皮膚筋炎の特徴。

2.誤り
肝硬変でみられる皮膚所見:くも状血管腫、手掌紅斑
蝶形紅斑はSLEの特徴

3.誤り
コプリック斑は頬粘膜にできる白色小斑点
麻疹の初期に出現する特徴的所見

4.誤り
皮膚筋炎の特徴的皮疹
ヘリオトロープ疹(眼瞼の紫紅色皮疹)、ゴットロン徴候
バラ疹は腸チフスでみられる。

 

解答:3

問題 48
心音の増強がみられるのはどれか。
1. 僧帽弁狭窄症
2. COPD
3. 心嚢液貯留
4. 肥満

解説
1.正解
僧帽弁狭窄症ではⅠ音(S1)が亢進(増強)することが特徴。
理由:僧帽弁が硬くなり閉鎖時の振動が強くなるため。
代表的な聴診所見:Ⅰ音亢進、拡張期ランブル、opening snap

2.誤り
COPDでは肺の過膨張、胸郭が厚くなることで心音は減弱する

3.誤り
心嚢液がたまると心臓と胸壁の間に液体が介在するため心音は減弱する。

4.誤り
皮下脂肪が厚くなるため心音は聞こえにくく(減弱)なる。

解答:1

【監修者】 鍼灸学博士 納部瑠夏

鍼灸系の大学院を修了し、鍼灸治療の専門家の証である「鍼灸学博士」を保持。

reCare道玄坂鍼灸院の院長として臨床を行う傍ら、福岡リゾート&スポーツ専門学校で非常勤講師として教鞭を行っている。

一般社団法人日本体力医学会公益財団法人全日本鍼灸学会所属

保有資格

鍼灸学博士、はり師・きゅう師、日本スポーツ協会公認アスレティックトレーナー、健康運動実践指導者

主な研究業績

【共同執筆者】

今西 好海

  保有資格 鍼灸学修士、はり師・きゅう師、健康運動実践指導者

奈須 守洋

  保有資格 鍼灸学修士、はり師・きゅう師