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緊張型頭痛に対する鍼治療の効果 -医学論文の紹介-

緊張型頭痛に鍼治療は有効なのか?

日本人の多くが悩まされている頭痛。この頭痛は症状や原因により何種類かに分類することができます。その中でも「片頭痛」と「緊張型頭痛」が大部分を占めています。このうち、緊張型頭痛は医学的な明らかな原因のない圧迫感や締め付けられるような性質の両側性の頭痛と定義されています。また、1年間で1度でも緊張型頭痛に苦しむ人の割合は3人に1人(約38%)にもなると言われています(Schwartz BS. JAMA 1998.)。このように多くの方が悩まれている緊張型頭痛の症状が発生した時には頭痛薬を飲んで乗り切っている人も多いと思いますが、薬を頻繁に飲むことに抵抗がある人も多いのが現状です。そうした中で、非薬物療法の一つである鍼灸治療が緊張型頭痛に効果があるのかどうかを調べた論文を紹介します。

今回紹介する論文

Melchart D et al. 

Acupuncture in patients with tension-type headache: randomised controlled trial.

BMJ. 2005 Aug 13;331(7513):376-82.  doi: 10.1136/bmj.38512.405440.8F. Epub 2005 Jul 29.

この論文の目的

鍼治療が緊張型頭痛の頻度を減らすことができるかどうかを検討すること。

この論文の方法

被験者

過去3か月間で、1か月間あたり少なくとも8日以上の緊張型頭痛があり、1年以上症状がある18~65歳の人

ランダム化

被験者は、鍼治療を受ける群(鍼治療群)とツボ以外の場所に浅い鍼治療を受ける群、鍼治療を受けない群(コントロール群)の三つの群に振り分けられた。

介入(治療)

最初の4週間は週に2回の頻度、後半の4週間は週に1回の頻度で計8週間、合計12回の治療を行った。

・鍼治療群

全ての被験者に左右の「風池」、「肩井」、「太衝」の3つのツボには必ず鍼を刺し、それ以外は個々の症状などに合わせて必要なツボに「響き」が出るように鍼を刺した。1回の治療当たりの鍼を刺す数は25本にを上限としていた。

・浅い鍼治療群

鍼治療群と同じ治療時間や頻度で治療を実施した。本物のツボから離れている場所に浅く鍼を刺し、「響き」が発生しないようにした。

・コントロール群

コントロール群に振り分けられた後は、実験期間の12週間は一切の治療を受けなかった。

治療効果の評価

ての被験者は「頭痛日記」への記録を以下の期間で実施した。

 ・各群へ群分けされる4週間前(ベースライン期)

 ・各群へ群分けされた12週後

 ・各群へ群分けされた21~24週後

これらの記録結果から、頭痛の発生していた日数をベースライン期と群分けされた9~12週後に違いがあるかどうかの比較することを主要な評価項目とした。

この論文の結果

参加した被験者

2,700名の被験者がこの実験に興味を持ち、詳細の説明などをした後、最終的に296名が群分け(ランダム化)の対象になった。その296名のうち、132名が鍼治療群、63名が浅い鍼治療群、75名がコントロール群に割り振られた。(296名のうち、26名は諸事情により除外)。

この研究に参加した被験者の割り振りを示している図
本論文のFig1より転用

頭痛のある日数の変化の結果

ベースライン期に発生していた頭痛の日数から、群分けされて9~12週後の頭痛が発生日数の差は各群以下のようであった。

・鍼治療群:7.2日減少

・浅い鍼治療群:6.6日減少

・コントロール群:1.5日減少

また、頭痛の日数が少なくとも50%以上減少した人の割合は、以下の通りであった。

・鍼治療群:46%

・浅い鍼治療群:35%

・コントロール群:4%

鍼治療群と浅い鍼治療群、コントロール群それぞれの頭痛の日数の変化を示している図。
下段の図は、図の見方を解説している
本論文のFig2より転用

有害事象(安全性)の結果

鍼治療群の2名、コントロール群の1名、合計3名が本研究の介入とは関係のない原因により重篤な有害事象を報告していた。

また、鍼治療群の23名の被験者が計30件、浅い鍼治療群の11名の被験者が計14件の軽度な副作用を報告していた。これらの副作用のほとんどが頭痛や痛みの発生、内出血やめまいであった。

この論文の考察

コントロール群と比べて、鍼治療群と浅い鍼治療群では頭痛の日数が減少していることが観察された。

本研究では、これまでに実施されていた研究よりも参加していた被験者の数が多いこと、頭痛臨床試験のガイドラインを遵守していること、高い追跡率などが従来の研究とは異なる点である。しかし、治療を実施した人の盲検化ができていなかったこと、コントロール群を盲検化できていないことなどは結果にバイアスを生じてさせていた可能性を否定できない。

こうしたバイアスの影響の可能性も考えられるが、コントロール群でも自然経過による僅かな改善効果がみられていたことから、頭痛日誌を否定的に記録した可能性を低くしている。

 

鍼治療群と浅い鍼治療群との間に差がなかったことから、ツボの位置や中国式の鍼治療方式により効果の差がないということがわかった。また、鍼治療群と浅い鍼治療群は治療終了後も効果が続き、その効果が持続的であることも明らかになった。

今回紹介した論文のまとめと解説

今回紹介した論文では、緊張型頭痛の患者に対して約3か月間継続的に鍼治療を実施した効果を調べていました。

その結果、治療をしていないコントロール群よりも鍼治療群では効果的であることが示されていました。さらに、頭痛の日数が50%以下になった人の割合は、なんと約半数にも達していました。つまり、鍼治療を行うことで頭痛の発生を半分に抑えることが期待できるということです

また、今回の論文で必ず使用していたツボは肩こりに良く使用されているツボであり、鍼治療をすることで頭痛だけでなく、肩こりの改善も期待できます。緊張型頭痛で悩んでいる方の多くは、肩こりを抱えている人も多いため、この二つの症状にアプローチできる治療法である鍼灸はとても適していると考えられます。

鍼治療を実施した直ぐのタイミングでも頭痛が改善する効果を実感して頂けますが、今回の論文の結果のように、数か月間継続的に治療を行うことで頭痛が発生する頻度を抑えることができます。そのため、論文の方法と同じような週に1~2回の頻度で継続的な治療を受けて頂くこともおすすめです。

当院での緊張型頭痛に対しての鍼灸治療

今回の論文で紹介したような「緊張型頭痛」に対しての鍼治療は、当院の「ハリミン×ハリケア」という治療コースがおすすめです。緊張型頭痛の原因一つと言われている首肩周りの筋肉の緊張をほぐしたり、頭部へ電気治療で頭の締め付けられるような感覚を緩和することが期待できます。

【監修者】 鍼灸学博士 納部瑠夏

鍼灸系の大学院を修了し、鍼灸治療の専門家の証である「鍼灸学博士」を保持。

reCare道玄坂鍼灸院の院長として臨床を行う傍ら、福岡リゾート&スポーツ専門学校で非常勤講師として教鞭を行っている。

一般社団法人日本体力医学会公益財団法人全日本鍼灸学会所属

保有資格

鍼灸学博士、はり師・きゅう師、日本スポーツ協会公認アスレティックトレーナー、健康運動実践指導者

主な研究業績

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