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ぎっくり腰(急性腰痛)に対する鍼治療の効果を調べた医学論文のまとめ

急性腰痛やぎっくり腰等の急激な腰痛を主訴とする疾患を抱えてお悩みなスーツを着た日本人女性のイメージ

ぎっくり腰(急性腰痛)に対しての鍼治療の効果を調べた研究をまとめた(レビューした)論文

ぎっくり腰は1か月以内に症状が一旦治まるものの、再発してしまう事が多いです。また、症状の発生または再発することによりその期間仕事ができないなどの経済的なダメージも生じます。

そうしたことも大変ですが、ぎっくり腰で痛くて動くことも難しい、という症状を鍼治療で軽くすることができるかどうかを調べた研究を紹介し、鍼治療の効果を見ていきましょう。

今回紹介する論文

Su X, Qian H, Chen B, Fan W, Xu D, Tang C, Lu L.

Acupuncture for acute low back pain: a systematic review and meta-analysis

Ann Palliat Med. 2021 Apr;10(4):3924-3936. doi: 10.21037/apm-20-1998. Epub 2021 Apr 8.

本論文の目的

急性腰痛に対する鍼治療効果を検討した最新のランダム化比較試験の論文をシステマティックレビューとメタアナリシスを実施することで、急性腰痛に対しての鍼治療効果のエビデンスを検討すること。

本論文の方法の要約

被験者

18歳以上で、発症から12週以下の急性腰痛の苦しんでいる患者

妊婦と何らかの病的な原因のある患者は除外した

介入の種類 

マニュアル鍼、鍼通電、耳鍼のいずれかを実施していたグループを介入群、偽鍼や鎮痛薬等を実施していたグループをコントロール群とした。

アウトカム(評価指標)の種類
 

想像しうる最も辛い痛みを10とした時の visual analog scale VAS をプライマリーアウトカムとした。

腰痛による機能障害を評価する Roland-Morris Disability Questionnarie (RMDQ)、腰痛による日常生活動作への影響を評価する Oswestry Disability Index (ODI)、服薬の数をセカンダリーアウトカムとした。

本論文の結果の要約

論文の抽出結果 
ぎっくり腰に対する鍼治療効果を調べた論文を抽出した過程を示した図

論文抽出の過程
本論文のFig1より転用

データベースでの論文検索を実施、組み入れ基準に適合する論文を抽出した結果、最終的に13本の論文が抽出された。

その13本の論文の対象となる被験者の数は899名であった。

VASの評価結果 
ぎっくり腰に対する鍼治療効果を調べた論文の痛みの軽減効果を示している図

鍼治療群とコントロール群のVASスコアを比較したフォレストプロット
本論文のFig4より転用

11本の論文(707名の患者)でVASを使用して鍼治療の効果を評価していた。

その結果を評価した結果、鍼治療群はコントロール群と比較して痛みのVASが劇的に改善していた。

鍼治療を実施した期間と頻度に関しては、最短では1日だけ実施した論文から2週間以上実施していた論文があり、治療頻度も毎日実施する論文や1週間に1~2回実施する論文など様々であった。しかし、どのような治療期間・頻度であっても鍼治療群の方がコントロール群よりも痛みのVASのスコアが有意に改善していた。

Roland-Morris Disability Questionnarie (RMDQ) の評価結果 
ぎっくり腰に対する鍼治療効果を調べた論文の動作機能の改善効果を示している図

鍼治療群とコントロール群のRMDQを比較したフォレストプロット
本論文のFig10より転用

2本の論文でRMDQを使用して鍼治療効果を評価していた。

しかし、鍼治療群と偽鍼治療群を比較した結果、統計学的な有意差は示されなかった。

Oswestry Disability Index (ODI) の評価結果 
ぎっくり腰に対する鍼治療効果を調べた論文の動作機能の改善の効果を示している図

鍼治療群とコントロール群のODIを比較したフォレストプロット
本論文のFig11より転用

ODIを使用して鍼治療の効果を評価していた論文は3本あり、医薬品を使用した群と比較して鍼治療群の方が統計学的に有意にODIのスコアを改善させていた。

服薬の数 の評価結果 
ぎっくり腰に対する鍼治療効果を調べた論文の痛み止めの服薬の数の減少効果を示している図

鍼治療群とコントロール群の服薬数を比較したフォレストプロット
本論文のFig12より転用

服薬の数を評価していた論文は2本あり、偽鍼群と比較して鍼治療群の方が有意に影響を及ぼしていた。

鍼治療の安全性の評価結果 

クオリティーの高い1本の論文では、鍼治療による副作用の発生がなかったことを報告してした。また、3本の論文でも軽い副作用しか発生していなかったことを報告していた。残りの論文では副作用に関しての記載はなく、これらの事から、鍼治療は安全であると考えられる。

本論文の考察の要約

2020年に発表されたメタアナリシスでは、偽鍼と比較して本物の鍼治療では亜急性及び慢性腰痛のVASスコアとRMDQスコアを軽減できることが発表されている。そのため、本論文では急性期の腰痛に焦点を当ててシステマティックレビューとメタアナリシスを実施した。その結果、コントロール群と比較して鍼治療群では急性腰痛の痛みに対して効果的であることが明らかとなった。

今回のセカンダリーアウトカムとして使用したODI及びRMDQに関しては、ODIは軽度から中程度の機能障害のある腰痛を評価する感度が低く、RMDQは重度の機能障害のある腰痛の評価の感度が低いとされている。本論文の結果では、ODIにスコアは鍼治療群はコントロール群よりも有意に改善していたが、RMDQは鍼治療群とコントロール群の間に統計学的に有意差は認められなかった。こうした結果は、それぞれの評価指標の感度に関連しているのかもしれない。また、腰部の可動性への影響は、鍼治療群と同様の効果をコントロール群でももたらしたのかもしれない。

さらに、服薬の数に関しても鍼治療群では減少しており、鎮痛薬への依存を減らすという効果が反映されていた。

こうした本研究の結果及び先行研究の結果の両方で、鍼灸治療は急性腰痛の症状の緩和に有効であることが示されており、急性腰痛の治療に鍼治療が使用可能であることが明らかである。

今回抽出されたRCT論文の数が13本しかなく、研究の量が少ない。また、それらの論文の質に関しても高リスクである論文が多かった。しかし、リスクの低い論文(質の高い論文)の方が鍼治療の効果が大きく、異質性が低い傾向にあった。介入方法の詳細が記載されていないことや試験の規模が異なることがバイアスリスクになっていた。

今回のメタアナリシスの結果では、急性腰痛患者のVASスコア、ODIスコア、服薬数を改善させることが明らかとなったが、方法論的な問題点もあるため結果の解釈には慎重に考慮されるべきである。今後はより質の高いRCTが必要である。

今回紹介した論文のまとめと解説

今回は急性腰痛に対する鍼治療効果を検討した13本の論文の結果をまとめた(レビューした)論文を紹介しました。そのレビュー結果では、様々なバイアスなどがあるものの鍼治療が急性腰痛(ぎっくり腰)に対して効果的であることを示しています。ぎっくり腰で最も困ることは「痛い」という事だと思われますので、VASスコアが減少しているという結果ら鍼治療によりぎっくり腰の痛みを減少させることができるという事がわかります。つまり、痛くてどうしようもないぎっくり腰に対して鍼治療をすることで、その辛い痛みを軽減させることができるという事が示されています。痛み止めを飲む、湿布を貼る、コルセットをする、こうした対処方法も良いですが、ぎっくり腰でお悩みの方は是非一度鍼灸治療をお試しになられてはいかかでしょうか?

当院でのぎっくり腰に対しての鍼灸治療

痛みにより動くことができない、少しでも動くと痛みが発生するなどとても辛いぎっくり腰に対しては、鍼で痛みを鎮める必要があります。また、痛みをかばうために、股関節やお尻、太ももの筋肉がとても硬くなっていることが多いですので、それに対してのケアも必要です。こうした総合的なケアができるのは当院の「伝統鍼灸治療」というコースです。

また、痛みで動くことが難しく、外出することができない場合にはご自宅まで伺い治療を行う「往診」にも対応しております。往診をご希望の方はその旨をご連絡ください。

【監修者】 鍼灸学博士 納部瑠夏

鍼灸系の大学院を修了し、鍼灸治療の専門家の証である「鍼灸学博士」を保持。

reCare道玄坂鍼灸院の院長として臨床を行う傍ら、福岡リゾート&スポーツ専門学校で非常勤講師として教鞭を行っている。

一般社団法人日本体力医学会公益財団法人全日本鍼灸学会所属

保有資格

鍼灸学博士、はり師・きゅう師、日本スポーツ協会公認アスレティックトレーナー、健康運動実践指導者

主な研究業績

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